学科長からのメッセージ

学科長 疋田正喜

生命科学の未知の世界を探検してみましょう
生命科学コース 教授 疋田正喜

 生命科学は生物学と化学を基礎として、物理学、計算機科学、薬学、医学などとも融合し、発展し続ける新しい学問分野です。最近では、人工知能(AI)との融合領域も活発に研究され始めています。そのため、本コースでは、生物学、化学を始めとする幅広い分野で活躍する先生方の講義と実習を通して、生命科学の“現在”を知り、生命科学の“将来”を担う人材の養成に力を入れています。

 生命科学には、まだ明らかになっていないことが数多く残されています。そのため、新しい発見があるたびに教科書も書き換えられています。例えば、つい最近までiPS細胞は発見されておらず皮膚の細胞から個体発生させるなどということは荒唐無稽なことだと考えられていましたが、現在では広くそのような現象が再現されています。また、天然界にはごく微量しか存在しない、まだ働きの良くわからない複雑な構造の化合物やタンパク質を世界で初めて人工的に大量に作り、その機能を明らかにするような研究も盛んに行われています。すなわち、生命科学の世界には未開のフロンティアが大きく広がっていると言うこともできます。

 このフロンティアを探検して世界の誰も知らないことを発見するためには、教科書に書いてある内容を「覚える力」だけでは不十分です。そのような力に加えて、なぜそうなるのか?という理由を考え、そこから新たな「疑問を持つ力」が必要であり、さらにはその疑問を解決するための「実験を進める力」が求められます。これらの力は、高校での生物のみならず化学・物理・数学の学習から得た理論的思考力に根ざす力です。高校で学習する生物基礎や生物の勉強は暗記であると言われることが多いですが、生命科学を学ぶ上で重要なことは単純な暗記ではなく、修得した基本的な知識にもとづく理論(ロジック)です。

 すでに知っていることを組み立てて、未知の現象を考察・推測するために身につけた思考力は、卒業後に社会で活躍するために大学で身につけるべき知的な財産となるものですから、研究以外にも大いに役立ちます。本コースで先輩達や私達とともに学び、人生に活かせる知的な財産を築きましょう。